おおきく振りかぶって

あらすじ

◆概要
１０人の新入生だけで結成した埼玉県立西浦高等学校野球部が甲子園を目指して奮闘する物語である。

◆おすすめする人
・高校野球ファンの人
・読み合いや駆け引きの豊富なスポーツ作品が好きな人
・高校生の青春模様が好きな人

◆あらすじ
中学時代祖父の経営する群馬県の高校、三星学園でエース投手をやっていた三橋 廉は埼玉県の公立高校・西浦高校へと進学することにした。中学ではチームメイトから贔屓でエースをやらせてもらっているヘボピッチャーとして疎まれ孤立し続け、三橋は人に嫌われることを極端に恐れる卑屈な性格になってしまう。その暗い思い出から逃げるように三星学園を出たのだった。
他校ではピッチャーをやらせてもらえないだろうから高校では野球をやるつもりは無かった三橋だが、少しだけ覗いてみたグラウンドで監督である百枝 まりあに見つかりチームメイトの前に強引に引っ張り出されてしまう。とりあえず何球か投げてみろというキャッチャーの阿部 隆也の言われるままに投げる三橋。阿部はすぐに三橋の特徴に気付く。球速はおそいが、プロの投手でも難しい９分割に投げ分けられるコントロールと４つの変化球に独特のクセ球を三橋は持っていた。従順な性格を含め理想のピッチャーを見つけた阿部は三橋に「俺がお前をホントのエースにしてやる」と告げバッテリーを組むのだった。

◆おすすめポイント
主人公チームの日常や練習風景、メンバーとのやりとりを丁寧に描写しているのはもちろんのこと、競合校のメンバーたちの内情なども丁寧に描いている。試合に関してはイニング毎ではなく打席ごとに描写し、そこで行われているであろう各選手・監督の心理描写や作戦を本当に丁寧に表現している。いままでに無い野球作品というのがこのおおきく振りかぶっての特徴である。
特に、誰が見ても大したことの無いピッチャー三橋を強豪校と対等以上に活躍させるキャッチャー阿部のリードは必見。他にも一年生だけのチームにも関わらず甲子園を本気で目指しひたむきに努力を重ねていく西浦ナインの姿はアニメファンだけでなく野球ファンの胸も熱くさせてくれるはずだ。