僕のヒーローアカデミア 第一期

あらすじ

◆概要
人気ヒーロー・オールマイトに憧れを抱く高校生の出久をはじめとするヒーローの卵たちが、ヴィランとの闘いを経て成長していく。

◆おすすめする人
・ヒーローという存在に憧れている人
・個性を欲している人
・仲間との絆を大切にする人
・とにかくアツい！人

◆おすすめポイント
第1期のおすすめポイントを紹介する前に、『僕のヒーローアカデミア』というアニメについて簡単に補足しておきたい。
最大の見所は、ヒーローを目指す少年少女たちの成長過程が丁寧に細かく、そしてリアルに描かれている点である。通称『ヒロアカ』と呼ばれる本作は、その名の通り「ヒーローアカデミー（ヒーローになる為の専門学校のような機関）」が舞台。主人公の緑谷出久（CV:山下大輝）たちが通う「雄英高校」では、日々ヒーローになる為の教育、指導が行われている。
基本的には一般的な高校生と同じく、授業では各科目を学んでいる。しかし、主にアニメ本編（※第2期～）では、ヒーロー育成にスポットを当てた特殊な授業風景が多く描かれている。たとえば、ヒーローの代名詞でもあるヒーロー名を決定する際には、生徒それぞれが自分で考えたヒーロー名をクラスメイトの前で発表するといった授業が行われた。少しレクリエーションじみた形式ではあるが、共にヒーローを目指すライバルたちの前で自身のヒーロー名を公表することの重みを考えれば、決して遊び感覚ではできない。ヒーロー名を明かすということは、決意表明でもあるからだ。あくまでこれもヒーロー教育の一環なのである。なお、あまりに不適切なヒーロー名には担当講師からのチェックが入り、他の生徒たちからは容赦ないブーイングが浴びせられる。

また、ヒーローの代名詞でもあるコスチュームや必殺技誕生の過程も実に緻密に描かれている。たとえば、ある強烈な必殺技を繰り出す為には、コスチュームの耐久性なども重要な要素となる。生徒たちが編み出した必殺技に適したコスチュームは、専門知識を備える開発部との綿密なミーティングを経ることで生まれる。ヒーローは、魔法少女のように魔法のアイテムで瞬時に変身できるわけではないのだ。因みに雄英高校には、ヒーロー科の他に普通科、サポート科、経営科があり、日夜激しい戦闘を繰り広げるヒーローたちのコスチュームや武器の開発及び整備を専門に行う者たちの育成も行っている。
本作は現在第3期が放送されている。第1期では、個性を持たない緑谷出久（以下、出久）とオールマイト（CV:三宅健太）との運命的な出会いに始まり、エリートたちの集まる雄英高校に入学した落ちこぼれの出久が、無個性というハンデを背負いながらも必死で食らいついていく姿が描かれている。第1期のクライマックスは、死柄木弔（CV:内山昂輝）率いるヴィラン（個性を悪用する者の総称）の襲撃事件。敵の奇襲を受けた出久たちが、ヴィランの恐ろしさを知り、初めての実戦を体験する。
雄英高校での厳しい指導や鍛錬の成果が全く通用しない現実。味わったことのない張り詰めた空気。考えが及ばない、考えても分からない、考えることすらできない。自身の無力さを痛感し、ただただ絶望する。

第10話から最終話（第13話）にかけての『ヒロアカ』は、明らかにそれまでのモノとは別物といえる。実戦シミュレーションと正真正銘のリアルバトルとの描き分けは衝撃的だ。おそらく、この襲撃事件が全ての始まりと言っても過言ではないだろう。
『僕のヒーローアカデミア』は、少年漫画にありがちな安っぽい友情アニメや力任せのバトルアニメに収まらない、スケールの大きさが魅力である。個性についての問題提起は、現実社会でも充分に通用するほど奥が深く、真剣に考えさせられる。『ヒロアカ』ファンやアニメ好きはもちろん、子を持つ親を含めた全ての"教育者"に是非見てもらいたい作品だ。大胆かつ繊細、繊細かつ大胆な『ヒロアカ』は、国民的アニメとしての資質を持っているかもしれない。であるならば、このアニメを正しい方向に導いていかなければならない。世の中に素晴らしい教材は数多く存在するだろう。しかし、それを生かすも殺すも我々次第。全ての教材は毒にも薬にもなることを決して忘れてはいけない。
これまでも無神経な導きによって輝きを失ったアニメはごまんとある。「ヒロアカ」には、その屍を乗り越えて高みを目指して欲しい。

『ヒロアカ』の魅力はアニメだけに留まらない。アニメの代名詞でもあるアニソン、すなわちOPテーマとEDテーマを豪華アーティスト陣が担当している。
第1期のOPテーマは、ポルノグラフィティの歌う『THE DAY』。疾走感あふれるナンバーが『ヒロアカ』のアニメ放送スタートを強烈にバックアップ。EDテーマ『HEROES』は、Brian the Su